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12月もまもなく残り約半月となり、1年を振り返り、来年への展望に思いを馳せる人も多いのではないでしょうか?今年の4月1日に思い立ってスタートしたニュースレター「Climate Curation」も、お陰様で今回で37回目の配信となります。そこで、今回は冒頭に簡単にこれまでに配信した[アーカイブ]の中で、月毎に印象に残ったトピックを振り返ってみたいと思います。
【Climate Curationスタート以来、各月の印象に残ったトピック】
4月:国連IPCC報告書、炭素除去への注目、株主総会脱炭素提案動議・アクティビズム、アースデイ、気候変動オンライン講座Terra.do
5月:スタンフォード大サステナビリティ学部設立への11億ドルの寄付、オーストラリア政権交代をもたらした「気候変動選挙」、英語版ニュースレタースタート
6月:岐路に立たされるESG、気候変動とメディア・ドキュメンタリ、猛暑の兆し
7月:グリーン・リスキリング&学び、Economist特集企画「ESGは壊れている」、米インフレ抑制法案驚きの上院通過、GX実行会議初会合
8月:米史上最大規模の気候変動対策法(インフレ抑制法)成立、世界で広がる深刻な異常気象
9月:熾烈さを増すEV用バッテリー獲得競争、パキスタン洪水、パタゴニア創業者の気候変動対策推進のための全株式譲渡、国連総会、東京GXウィーク
10月:米加州&EU、2035年までのガソリン車の新車販売禁止
11月:COP27開催、テック業界大量解雇、ClimateTechの存在感・期待感の上昇
12月:エネルギー危機への備え、気候変動政策の貿易・外交・安全保障への影響
いかがでしたでしょうか?印象に残っているトピックはありましたか?過去8ヶ月程、毎週ニュースを追いかけている中で、Climate Tech/気候テックに関しての注目は英語圏では確実に高まっている印象がありました。国内でも少しずつ盛り上がりの兆しはあるものの、タイトルに「気候テック/climate tech」を含む記事の量を以下BuzzSumoという分析ツールで調べたところ、日英で約65倍もの開きがあることが伺えます。もちろん、国内では「気候テック」ではなく、脱炭素テック、GX(グリーントランスフォーメーション)等、異なる呼び方やカテゴリがあることも要因の1つにはありますが、Climate techを巡るグローバルな文脈で存在感が欠けている点は否めません。逆に「成長余地がある」と捉えたいですね💪🤞🙂。
2023年はこの気候変動・気候テックの分野において、どのような変化や進展が訪れるとみなさんはお考えですか?以下、「Climate Curation」のアンケートを作成してみました。よかったら併せてこちらにご回答いただけないでしょうか?2023年の予測等に関しては次回配信号において可能な限りみなさんの声をご紹介する予定です。また、アンケートでみなさんからの感想、ご要望をいただくことで、今後より充実したニュースレターの配信を続けていけたらと思ってます。5分程度で回答いただける分量です。何卒ご協力をよろしくお願いします🙇♂️
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】再エネ、石炭抜き最大の電源に IEA見通し25年に [2022/12/6 日本経済新聞]
国際エネルギー機関(IEA)は6日公表した報告書で、太陽光や風力など再生可能エネルギーが2025年に石炭を抜いて最大の電源になるとの見通しを示した。ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障への危機感が強まり、各国は「国産エネルギー」の再生エネを急拡大する。侵攻で高騰した化石燃料と比べ、再生エネの発電コストが割安なことも追い風だ。
【2】出遅れた日本「瀬戸際にいる」 大型の洋上風力発電が始動、勝機は [2022/12/6 毎日新聞]
国内初となる大型の洋上風力発電所が、年内にも秋田県の秋田港と能代港で商業運転を始める。国内のこれまでの洋上風力導入量はごくわずかだが、政府は再生可能エネルギー主力電源化への「切り札」と位置付け、2040年までに3000万~4500万キロワット(原発30~45基分)に拡大する方針だ。
*国内の洋上風力発電の現在地、課題、今後の展望が詳しく紹介されてます。
【3】英政府、新たな炭鉱の開発を承認 気候変動対策に逆行との批判も [2022/12/8 ロイター]
英政府は7日、イングランド北西部の地下深部で石炭を採掘する「ウッドハウス炭鉱」を開発する計画を承認した。同国で新たな深部炭鉱が開発されるのは、ここ数十年で初めて。気候変動対策に逆行するとの批判も出ている。
過去1週間で英語圏で大きな話題となっていたニュース。
【4】[FT]米バンガード、脱炭素金融同盟から脱退を表明 [2022/12/9 日本経済新聞]
世界2位の資産運用会社、米バンガード・グループは気候変動対策に取り組む主要金融機関の団体から脱退する。米野党・共和党が化石燃料事業に反対しているとみる金融機関への攻撃を強めているためだ。
ESGの文脈で大きな話題になっていたニュースはこちら。その他にも運用資産が1.3兆億ドルと世界最大を誇るノルウェー政府系ファンドCEOがネット・ゼロ・エミッション達成の目標がない企業の取締役や役員に対して、ファンドは「絶対に」反対票を投じるとしたFTの記事、また[FT]フロリダ知事ESG批判、ブラックロックに矛先(社説)、等、ESGの政治化による議論が今後も混乱をもたらしそうな様相を呈しています。
【5】安全保障と一体化する脱炭素 欧米で新たなうねり: [2022/12/8 日本経済新聞]
世界で脱炭素と安全保障の一体化が加速している。米国は新たな電気自動車(EV)購入支援策で、北米での組み立てや部材調達を優遇する。欧州連合(EU)は水素 の製造能力を10倍に引き上げる。ともにロシアや中国との対立を踏まえた経済安全保障政策でもあることで、国内や域内の合意につながった。
【6】「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」 に、 43年という歴史の中で、バッテリーEV軽自動車が初の栄冠。「日産/三菱 サクラ/eKクロス EV」が受賞
【7】日本の水素戦略、気付けば周回遅れ 技術先行も調達コスト重荷[2022/12/4 日本経済新聞]
次世代エネルギーの本命と目される水素で、活用の先頭を走っていたはずの日本がいつの間にか周回遅れになる懸念が強まっている。液化水素の運搬船や燃料電池自動車(FCV)などの実用化は先んじているが、運搬や生産に関わる調達コストの高止まりが国内での普及の妨げになりかねない。鉄鋼や電力といった基幹産業の競争力にも影を落とす。
世界的に期待が高まる「グリーン水素」。とはいえ、そのしくみ、世界の中での現在地が分かりにくいと感じている人も自分含め多いのではないでしょうか?NHKの「国際報道2022」という番組において、10分程度で分かりやすくまとめられていました。よろしければこちらのNHKプラスのリンクからぜひご視聴ください。
▶国際報道2022 期待高まるグリーン水素 その最前線を追う [2022/12/8 NHK プラス 12/16(金) 午前0:25 まで]
NHKによる動画での解説は基礎的なことも含め解説されることが多く、とても有益と思いました。例えば現在開催中の生物多様性条約締約国会議に関しての解説動画も、放映から1週間という視聴期間制限はあるものの、参考になりました。
▶みみより!くらし解説“生物多様性”守る新目標は? [2022/12/8 NHK プラス 12/15(木) 午後3:00まで]
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は以上となります。今回初めてニュースレター「Climate Curation」を知っていただいた方は以下のボタンから購読いただけます(英語版はこちら)。興味を持っていただけるようであれば、いいね♥へのクリック、同僚、ご友人への転送、SNSなどでシェアしていただけたらとても嬉しく思います🙇♂️。アンケートへの協力も含め、よろしくお願いします🙂🥰
*なお、2023年に向けて気候変動、climate tech関連のリサーチ等にも力を入れていきたいと思ってます。お仕事のご相談、ご依頼等、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋♂️
市川裕康
株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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