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6月も下旬となり、暑さを感じる日が増えてきました。最近の海外の気候変動関連のニュースを眺めていても熱波(heatwave)、洪水(flood)、干ばつ(drought)等の異常気象を報じるニュースを目にする機会が本当に増えていることを実感しています。
以下の図は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書に記載されている気候の状態、変化等に関するデータに基づいたものですが、1850年頃から今日、そして未来に至るまで、異常気象イベントが気温の上昇とともに増加傾向にあることが伺えます(出典:Visual Capitalist)。特に熱波(Heatwave)の増加ペースがゲリラ豪雨(Extream rainstorm)、Drought(干ばつ)よりも一段と大きいことが分かります。
国内の最高気温は私が住んでいる浜松市(中区)における41.1度(2020年8月17日)と埼玉県熊谷市での同じく41.1度(2018年7月23日)が記録されています。一方、海外に目を転じると、インド、パキスタン、そして最近では欧州、米国でも記録的な猛暑、熱波がもたらされていることが報じられています。
華氏102.6度(摂氏39.2度)。ドイツのコトブスで1888年以来、最も暑い日として記録された。
102.2°F(39.0°C)。 チェコ共和国フシネツ市の日曜日の最高気温で、同国の6月の気温としては記録的な暑さとなった。
110.3°F(43.5°C)。 6月18日、スペインのサン・セバスティアンで観測史上最も暑い日となった最高気温。
109.2°F(42.9°C)。6月18日、フランスのビアリッツで記録的な暑さとなった日の最高気温。2003年8月の記録を4°Fも更新した。
海外での気候変動対策に熱心な国、地域は、地域での将来における影響度の大きさを体感する中で「自分ごと」化され、関心を持ったり、気候変動分野での起業や転職、個人での取り組み、ライフスタイルに影響が及ぶ人が多い印象があります。国内においてもこうした猛暑、異常気象を迎える季節にこそ、改めて、気候変動問題についての理解を深め、今できることを考えるきっかけになれば、と願ってます。
⭐今週気になったニュース・トピックス
「文系」人材にとっての気候変動・グリーン分野のキャリアとして注目の「クライメートテック・マーケティング」。国内ではまだまだ市場としても規模も認知度も低いことからあまり話題にはなりにくい印象ですが、米国や欧州においては気候(クライメート)・テックという、気候変動分野でのテック系スタートアップが注目を集めています。また、ESG投資等、それに応じる形で上場企業における気候リスク開示等が緊急度高くよく話題を目にします。そんな背景もあり、気候変動に関する人材市場の中でのイメージしやすい人材像として、①エンジニア(ソフトウェア&ハードウェア・エンジニア、データサイエンティスト等)、②ESG投資関連、財務・炭素会計等の金融スペシャリスト、そして以前から気候科学を研究している③大学研究者等がよく挙げられます。その他にもグリーン・ジョブとしてソーラーパネルの技師等も挙げられますが、いわゆるホワイトカラーの事務職として従事する際には、こうした背景もあり、職業人としてのロールモデルが描きにくいのではないか、と常々思っていました。そんな際、リサーチしていて見つけたのが「クライメートテック・マーケティング」というくくりで捉えるマーケティング人材領域です。Alder&Co社が昨年夏に立ち上げたニュースレター「Tofu」、そして現在250名程が参加している関連Slackコミュニティでは求人情報や業界の動向が詳しく紹介されています。まだこうしたニュースレターやSlackコミュニティが誕生して1年も経ってないという状況ではありますが、エンジニア、金融、研究者以外でも幅広く職業としての役割の発展の可能性を感じられたことは自分にとって新しい発見でした。近くAlder & Co.のCEOともビデオミーティングでお話する予定です。新しい気付き等あれば、ぜひまた共有させてください。
Are you looking for your #climatetech #marketing tribe? 🦊 Join #Tofu, our community for climatetech marketers and marketing-hat-wearing #founders. buff.ly/3iJoe15 #climatetechmarketing #cleantech #marketingadvice #b2bmarketing #weareyouralder #marketingcommunity『「化石燃料の投融資縮小」問われる株主提案の賛否 機関投資家も参戦、議決権助言会社の声が左右』というタイトルで、来週に迫る各社株主総会を前にして詳しいまとめ、動向分析が紹介されてます。ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー価格高騰、ESG投資をめぐるグリーンウォッシング等の問題により状況が変化している中で、どのような議決結果になるのか、注目したいと思います。
今週のThe Economist誌最新号ではエネルギーと気候テクノロジーに関して詳しく取り上げています。現在直面しているエネルギーショックは、1973年と1979年の中東の石油危機以来の深刻なものであり、気候を破壊することなく、この地球規模の緊急事態を解決する方法というテーマで深堀り解説がされてます。特集記事を一読して感じたのは電力網、蓄電池、水素等、専門的な知識がないと深いレベルで理解するのが難しいと感じることでした。一方、それぞれの分野で新しい気候テックが世界中で誕生していて、こうした技術を梃子に果敢に取り組むスタートアップの動向には今後も注意を払っていきたいと感じました。ご興味ある方はぜひご覧になってみてください👇
気候(クライメート)テック分野へのベンチャー投資は不況に向かってはいない。ClimateTechVCという業界の動向を丁寧にフォローしているニュースレターの最新号によると、ハイテク投資が停滞している状況の中、ClimateTech分野のスタートアップへの投資額は依然成長を続けていることが報じられてます。
7月 10 日に投開票 が予定されている参院選における各政党の気候変動・エネルギー政策に関する分析が、先日NGO・NPOである「気候ネックワーク」により公開されました。分析は「気候変動対策・政策に関して評価するものであり、特定の政党・候補者を応援したり支持したりするものではありません。」と記載されていますが、あくまで参考として紹介させていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は以上となります。ニュースレターの構成、分量、切り口などは今後少しずつ工夫・改善をして変化をしていく予定です(フィードバック、感想、ご意見も歓迎です🙇♂️🙂)。
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では、どうぞ熱中症対策等に注意してよい週末ををお過ごしください🙂🙋♂️
市川裕康
株式会社ソーシャルカンパニー
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