気候変動、脱炭素、気候テックについて語る「Cliamte Curation サロン」を6/5 夜にオンライン開催
今週のトピックス:EVシフト、水素、地熱、船舶、CO2可視化、合成Netflixドラマ「THE DAYS」等
こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は現在360名を超える方に購読頂いてます。
全国で記録的な大雨の被害が報じられてます。みなさんのお住まいの地域は大丈夫でしたでしょうか?私の住む静岡県でも一部の地域で大きな被害がありました。気候変動・地球温暖化の影響が年々深刻さを増していることを感じます。
さて、今回も数多くの気候変動、脱炭素、気候テック関連のニュースがありました。抜け漏れもたくさんあると思いますが、さっと見出しを見て頂いて、なにか気になるもの、参考にして頂けるものが一つでもあれば幸いです。
▶Cliamte Curation サロンのご案内
突然ですが、みなさんは気候変動、脱炭素、気候テック等に関して、普段身の回りで情報交換や議論する機会はありますか?テーマが壮大でそれぞれが技術的に難解であったり、政治的な内容も含まれていることから、あまり話す機会がない、と感じている人が多いのではないかと感じてます(ぜひ以下のアンケートにお応えください)。
そこで、あくまで実験的な試みですが、6月5日(月)日本時間20:30から1時間、Zoomを活用したオンラインのサロンのようなものを企画してみます。冒頭15分ほどは簡単な趣旨説明、自己紹介、ニュースレターで気になった記事があれば感想を共有頂く時間とし、その後残りの時間はブレークルームに分かれ、3〜4人のグループ毎に気になっているトピックについて自由にお話頂く機会にできれば、と考えています(2回程度シャッフルを予定)。イベントやおすすめのコンテンツ等、告知情報等があればその際に共有頂き、今後ニュースレター内に新しく作成する「コミュニティ・ボイス」のコーナーでご案内できれば、とも考えています。以下の参加申込みフォームに①メールアドレス、②お名前&ご所属、③一言メッセージ(話してみたいこと等)をご記入ください。最少催行人数2名!ということでまずは募ってみます。ぜひお気軽にご参加いただければ幸いです。
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】再エネの発電能力、化石燃料に匹敵 世界で5割… [6/1 日本経済新聞]
再生エネルギーの導入が急速に拡大し、2024年には化石燃料に匹敵する約45億キロワットの発電能力が見込まれるそうです(国際エネルギー機関(IEA))。ただ、再生エネルギーは稼働率が低く実際の発電量は5割未満とされ、安定した電源として活用するためには多様な電源構成が必要と指摘されてます。
IEAによると中国の23年の発電能力は2億3100万キロワット増えると予測される一方で、日本は1千万キロワットにとどまるとのこと。中国や欧州に比べた際の日本の出遅れが鮮明だとも指摘されてます。
【2】需要は中国が圧倒 日本は「水素」で覇権を握れるか?【日経プラス9】(5/31 テレ東BIZ)
再エネの推進が難しいとされる国内において、水素・アンモニア活用に向けた取り組みに注目が集まってます。現状、難しさ、可能性等が分かりやすく解説されてます。*技術的な専門知識がない分野をコンパクトにざっくりと理解する上で動画解説は便利ですね。今後意識的に取り入れてみたいと思います。
【3】EVシフト、トヨタなど日本車5社が「最低位」… [5/31 日本経済新聞]
米研究機関「国際クリーン交通委員会(ICCT)」が5月31日に公表した報告書によると、世界の自動車大手20社の電気自動車(EV)シフトに対する評価において、トヨタ含む日本の自動車メーカー5社が最低の評価を受け、米テスラと中国のBYDがリーダーとして評価されたと報じられてます。
【4】トヨタ佐藤恒治社長にもう1つの課題 緩すぎるCO2削減目標 [6/2 日本経済新聞]
手厳しい忖度なしの指摘ではあるものの、重要な情報だったので概要を共有させていただきます。
概要:トヨタのCO2削減目標は、IPCCの目標と比べて緩く、既販車の考慮が不足しており、その評価基準も問題がある。
トヨタのCO2削減目標は、政府間気候変動パネル(IPCC)が提唱する目標と比べて大幅に緩い。
トヨタは新車のCO2排出量の削減にのみ焦点を当てているが、IPCCは既販車も含めた全体のCO2排出量を考慮している。
トヨタの目標値の基準となっているのは、WtW(ウェル・トゥ・ホイール=油田からタイヤを駆動するまで)のCO2排出量で、LCA(ライフサイクルアセスメント=製造から廃棄・再使用に至る全ての段階を通して環境負荷を評価する方法)を基にした目標設定は行っていない。
【5】トヨタ、アメリカで初EV生産へ 電池工場に2900億円追加投資 [6/1 日本経済新聞]
バイデン政権の北米生産車向けのEV販売補助策への対応として、トヨタは米国でのEV生産を拡大するため、電池工場への21億ドル(約2,900億円)の追加投資を行うことを発表しました。2025年からケンタッキー州でEVの生産を開始予定とのことです。
【6】CO2排出を実質ゼロに 合成燃料の実力は [6/1 テレ東BIZ]
今年の春に、EUが合成燃料を条件にエンジン車の販売容認したことを受け注目が集まっている「合成燃料」について、包括的に分かりやすく解説されているニュース動画があったのでご共有です。
【7】国内主要4社を比較。CO2の“体重計”選ぶならどれ?【保存版】 [6/1 Business Insider Japan]
企業のCO2排出量測定サービスを提供している国内大手4社の特徴、違い等がアンケート結果に基づいてまとめられていて、ありそうでなかった情報の整理がとても参考になりました。
【8】造船・海運業界の動向
5月下旬に造船・海運業界の国際海事展「バリシップ」が愛媛県今治市で4年ぶりに開催されたこともあり、関連の取り組みがいくつかあり興味深かったです。
造船、環境と安保に命運 4年ぶり「バリシップ」の現場 [6/1 日本経済新聞]
商船三井、米で脱炭素技術を持つスタートアップへの投資会社設立(日本、米国) | [6/1 ジェトロ海外ニュース]
パワーエックス、「電気運搬船」で横浜市、九電と連携 [5/27 メガソーラービジネス : 日経BP]
【9】Japan’s hot-spring resorts are blocking geothermal energy plants [5/28 The Economist]
日本は膨大な地熱エネルギーポテンシャルを持っているにも関わらず、文化的、地理的、規制上の問題がその利用を制限されている状況を示しつつ、国内で2030年までに地熱エネルギーの出力を3倍にすることを目指し、先進技術と革新的なパートナーシップを探求している様子が紹介されてます。
【10】グリーン・ジョブと公正な移行(Just Transition)
Green skills shortage threatens Europe’s climate ambitions [5/30 Financial Times]
ヨーロッパの気候変動対策の目標は、グリーンスキルの重大な不足、旧産業からの労働者の移行をためらう姿勢、そしてグリーン・ジョブが高収入の労働者にとって給与が低い可能性があることから、危機に直面しているとの記事。国内でもグリーン・トランスフォーメーション(GX)の文脈でリスキリングの重要性が指摘されています。海外の一部の研究において、職業の5分の1以上が「グリーン・ジョブ」として分類される可能性がある一方で、「グリーン・ジョブ」とは何かについての合意された定義はないことも問題視されてます。Growing Climate Tech Firms Need Engineers — But Also Sales and HR Pros [6/1 Bloomberg]
Climatebaseというグローバルな気候テック関連の求人サイトに過去2年間掲載された、1,500以上の組織からの46,000以上の求人情報を分析した結果が報じられてます。需要の高い求人情報としてソフトウェア・エンジニアが挙げられているものの、営業、事業開発、オペレーション、マーケティングなど、一般的なビジネス・スキルが求められる役職も多く含まれるとのことです。気候テックのスタートアップが数多く生まれ、成長している米国と国内では状況は少し異なるかもしれませんが、示唆に富む内容でした。
▶気候テック関連イベント情報
6/6-7 Cleantech Forum Asia
6/14 Climate Designers Japan #1 気候変動課題にチャレンジするデザイナーのコミュニティはじめます。【オンライン・無料】
6/22 『Climate Techトレンドと2030年まで取るべきアクション』Climate Tech Japan
6/25 Climate Tech Day
▶ポッドキャスト・映画・ドラマ
Greenimpact ポッドキャスト:今回はスタンフォード大学サステナビリティ学部で気候変動、水等について学び、起業を志してらっしゃる熊平さんのインタビュー。とても壮大で視座がぐっと上がる内容でした。
Netflixシリーズ「THE DAYS」は我々に何を問うのか。実話に基づく福島第一原発事故の数日間。注目すべきポイントは? [6/1 FILMAGA(フィルマガ)]
12年前の悲劇を風化させることなく、原発やエネルギーとどう向き合っていくか考える上でも観ておくべき作品と思いました。私もまだ冒頭3エピソードを観たところですが、当時の状況がフラッシュバックしていろいろ考えさせられます。[The Days| Netflix]
【*5/30 配信の英語ニュースレター 「Japan Climate Curation」(購読者数1,430人)より】
🛰️🌪️☀️⛽🚢♨️Electric battery tankers, wind, geothermal, space-based solar, floating nuclear, synthetic fuel, and more. [5/23-5/29 Linkedin/5月からSubstackでも配信中:(購読者数46人)]
日本国内で起きている気候変動・脱炭素関連に関して、英語で書かれているニュース・トピックスを毎週火曜日に10本程度配信しています。Substackでも購読が可能になりました。引き続きどうぞよろしくお願いします。
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
🌏Climate Curation 情報源 [気候変動・脱炭素・気候テック (climate tech ) 関連情報] https://bit.ly/ClimateCuration_Info [ストック系情報 : 掲載数101]
🌏Climate Tech List ⚡ https://twitter.com/i/lists/1611344400122253312
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋♂️
市川裕康
株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
Twitter: @SocialCompany
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