こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は現在470名を超える方に購読頂いてます。
*9月から「クライメートキュレーション/Climate Curation 」をLinkedinのニュースレター機能を活用して配信しています(690人以上の方に購読頂いています)。ご紹介する記事の埋め込み時に記事のイメージ画像が表示できる等、読みやすいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。よろしければこちらのリンクからご確認いただけたら幸いです。どうぞ引き続きよろしくお願いします。
【🙂個人的な先週のニュース🎉】:気候変動 や 気候テック についてのインキュベーター・アクセラレータープログラム的なコミュニティ、Climate Vine(クライメート・バイン)の第2期メンバーに選出頂き、とても嬉しく思います😊 💪🚀。クライメート・バインとは、 1年間を通じて様々なバックグラウンドを持った専門家のみなさんと継続的に交流、コラボレーションを行うというものです。日本と海外とでのこの分野における情報ギャップが大きいのでは、と2021年頃から感じ始め、手探りの中でスタートした本ニュースレター ClimateCuration も現在重複含め日・英、LinkedinとSubstackで約3,000名の方に購読頂いてます。リサーチ、コンサルティング、エコシステムづくり等の分野で自分なりの役割を果たす事ができればと思ってます。
ちなみに今期のClimate Vine のプログラムの申込期限は9/25までとなってます。まだ日本からの参加はほんの僅かとのことです。ご興味ある方はぜひお気軽に連絡ください。一緒に参加される方をお待ちしています 😊
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】アップルの脱炭素・サステナビリティのメディア・コミュニケーション戦略に見る未来の姿 [9/12 Apple]
9月12日にアップル初のカーボンニュートラル製品として発表された「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」、そして同社のサステナビリティの取り組みを示す2つの動画がとても印象的でした。
併せてぜひ注目したいのがこちら。ハリウッド女優のオクタヴィア・スペンサー氏扮する「マザーネイチャー(母なる自然)」がティム・クックCEOや元米国環境保護庁長官で同社環境部門を率いるリサ・ジャクソン副社長ら幹部を問い詰めるという設定です。Appleは2020年のカーボンニュートラル約束に基づく進捗を示し、プラスチック排除、リサイクルアルミ利用、95%の輸送排出削減、世界の環境プロジェクトへの投資、630億ガロンの水使用削減、そして2030年までに全デバイスの気候影響をゼロにすると約束する様子が描かれてます。Linkedin等のSNSでは斬新なコミュニケーションの手法に絶賛の声が数多く挙げられているのが印象的でした。詳細:アップル公式サイト https://www.apple.com/jp/environment
今年の3月に動画配信サービスの「Apple TV+」において公開された気候変動問題を取り上げた新作ドラマ、『エクストラポレーションズ〜すぐそこにある未来(Extrapolations)』にもこうしたアップルの意識の高さであったり、ドラマを通じたガジェットやテクノロジーの未来の姿を改めて感じることができます。まだご覧になってない方はぜひ。おすすめです🙂(全8話)。
【2】博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2023」 [8/25 博報堂]
広告代理店の博報堂が先日公開した今年で4回目となる「生活者のサステナブル購買行動調査2023」の結果によると、買い物の際の環境・社会意識度も昨年からは微増ながら最高値となり、特にリユース品の売買など「サーキュラー(循環)」な購買行動が、若年層を中心に徐々に広がりをみせていることが伺えます。
【3】アシックス「世界で最もCO2少ない」新作スニーカーで見せた覚悟。米オールバーズに“宣戦布告” [9/12 Business Insider Japan]
アシックスが9月22日に新たに発売予定のスニーカーの特徴は世界で市販されているスニーカーの中で、1足あたりの温室効果ガス排出量が1.95キログラムと、先駆けていたAllbirdsを超え最も少ないとのことです。
【4】気候変動をどう報じるか メディアに課題、米ジャーナリズム誌編集長 [9/14 朝日新聞デジタル]
米コロンビア・ジャーナリズム・レビュー編集長のカイル・ポープ氏は、気候変動の報道を強化する必要を訴え、2019年秋に気候変動の国際報道キャンペーン「Covering Climate Now(CCNow)」を共同設立。現在は朝日新聞やNHKを含む世界中の500以上のメディアが参加して20億人に影響を及ぼしているとのことです。米国の報道は改善されているものの、問題の全体像を伝える視点が更に必要だと指摘しています。
【5】2023- MIT Technology Review’s Innovators Under 35 - [Climate and energy]部門
MIT Techonology Review が選出する35歳以下のイノベーター35人のリストのうち、10名が気候・エネルギー部門からの選出。例えばアンモニアをトラックや船舶の動力源となる燃料として使用できるシステムを構築しているアモギー社(Amogy)のCEO等、次世代の起業家がリストされてます。また、MIT Technology Reviewは10月4日〜5日にその名も「ClimateTech」と題したカンファレンスを開催予定で、そのタイミングで『MITテクノロジーレビューの注目すべき「気候テック企業15社」』も発表が予定されてます(カンファレンス現地参加費は約2,000ドル、ライブストリーム配信でも約500ドル)。円安の為替レートを考えると気軽に参加することは難しいですが、パンデミックが落ち着いて気候テック分野のリアルなネットワーキングがますます加速していきそうな機運を感じます(特に欧米において)。
【6】気候テック関連カンファレンス Verge [10/24-26 サンホセ・カルフォルニア]
代表的な気候テックのカンファレンスとしてはGreenBiz Groupが主催する「Verge」が有名です。スピーカーのリストを眺めてみても著名な起業家、投資家、研究者、大企業幹部等の顔ぶれが伺えます。
【7】「スマートエネルギーWEEK 秋」&「脱炭素経営Expo」[9/13-15 幕張メッセ]
今週は幕張メッセでも再エネ、脱炭素経営に関する展示会が開催され、動画でのレポートによると熱気あふれる様子が伝わってきます。特にYouTubeやX(Twitter)でも積極的に情報発信をされている會澤高圧コンクリート株式会社が手掛ける、CO2削減記録にNFTを活用した脱炭素系コンクリートの新流通の取り組み〜『aNET ZEROイニシアティブ』 の存在感がとても印象的でした。
【8】EVインフラはや老朽化 充電器閉鎖2.5倍、普及遅れ拍車 [9/16 日本経済新聞]
-日本のEVインフラは主に2010年代半ばに設立され急速に老朽化
-2023年には公共のEV充電器の閉鎖が前年比べて2.5倍増加
-国内EV採用が遅いためサポートサービスの削減が更なる車両の導入を遅らせる悪循環になっている
EVに関しては欧米や中国に差をつけられてしまっているという報道が日に日に増えているように感じるものの、資源調達から電池技術の開発等、国内の自動車・自動車部品メーカーの技術革新や思い切った政策で打開の道が切り開かれることを期待しています。
*日本とカナダ、蓄電池の分野で連携し供給網強化へ…資源開発や現地生産を促進 [9/15 読売新聞]
【9】疑惑の国会質問 洋上風力発電“汚職”の裏で何が [9/12 NHK クローズアップ現代] *NHKプラス (9/19 20:00まで) & NHKオンデマンド
脱炭素の今後の切り札とも言われる洋上風力発電をめぐって起きた汚職事件とその背景を深掘りしながら、今後の洋上風力発電を進める上での課題を検証する内容が分かりやすく整理されてます。
【10】環境にやさしい火力発電は可能か?「アンモニア混焼」の可能性に迫る【ゲスト:高橋賢司さん(JERA企画統括部 脱炭素推進室 室長)】[9/14 Green Impact / NewsPicks]
脱炭素の取り組みとして欧米のメディアや国内外環境NGO、そしてG7サミットでもそのCO2削減効果とコストに対して批判的な評価がされることが多いアンモニア混焼について、今回は事業者として推進しているJERAの担当責任者がゲストとして出演され、とても稀で貴重なエピソードであると感じました。混焼技術そのものの説明、日本独特の地理的・エネルギー安全保障的な制約、ネットゼロへの時間軸を踏まえたアンモニア混焼技術の優位性・可能性が紹介されてます。先日のニューヨーク・タイムズの批判的な記事に対する「反論」も。こうした情報や議論をオープンな場所で、そして英語でももっと発信されることで、よりよい方向に進むことを願ってます。
【*9/12 配信の英語ニュースレター 「Japan Climate Curation」(購読者数1,741人)より】
Japan's promising climate tech startups / ongoing EV struggle / Tokyo GX Week [9/6 -9/12 Linkedin/5月からSubstackでも配信中:(購読者数157人)]
日本国内で起きている気候変動・脱炭素関連に関して、英語で書かれているニュース・トピックスを毎週火曜日に10本程度配信しています。Substackでも購読が可能になりました。引き続きどうぞよろしくお願いします。
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
🌏Climate Curation 情報源 [気候変動・脱炭素・気候テック (climate tech ) 関連情報]:https://bit.ly/ClimateCuration_Info [ストック系情報 : 掲載数101]
🌏Climate Tech List ⚡ :https://twitter.com/i/lists/1611344400122253312
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋♂️
市川裕康
株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
Twitter: @SocialCompany
英語版ニュースレター「Japan Climate Curation」(Linkedin)📬