こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は現在Substackにおいて520名を超える方に購読頂いてます。先日新しくスタートしたLinkedinのニュースレターでは既に890名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。
Climate Curation ランチMeetup 12月16日(土)12:00-14:00 @ 新橋
12月16日(土)12:00-14:00に読者のみなさまとの交流会、Climate Curation ランチMeetup🍱☕を開催します。既にお申込頂いた皆様、ありがとうございます。お目にかかれることを楽しみにしています!*12/12 18:00に申込締切とさせていただきます。
12/16(土)Climate Curation ランチMeetupお申込みフォーム
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】COP28終盤戦へ SNSで最も拡散されたメディア記事は?
11/30に開幕した第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)も既に終盤戦ということで、先週に続きSNS(FB&X)の分析ツール(BuzzSumo)を活用し、この10日間程でどのような記事が広く拡散されたかを調べてみました。
▶日本語での「COP28」関連の記事掲載ボリューム(過去1ヶ月間):
12月3日〜4日にかけてエンゲージメントがピークに。その理由は?....
環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」から「本日の化石賞」を今年も日本が受賞。COP期間中のそれぞれの日に、地球温暖化対策に後ろ向きだったり、交渉の進展を妨げたりした国などに贈られる賞で、国内におけるCOP関連報道では近年お約束的に拡散される結果となってます。
SNSで最も拡散された記事トップ10の中に4本も含まれていることに改めて驚かされます。エンゲージメント(「いいね」や再投稿)の規模でも全体の半分を締めています。
自虐的に拡散されるのか、過度に取り上げ過ぎではないのか、という声も最近は聞かれます。国際的な文脈の中でバランスよく情報収集することが求められていると感じます。
ちなみに世界全体のCOP関連の報道量を見ると(あくまで目安ですが)、同期間(直近1ヶ月)の日本語での1,183件に比べ57,510件と約47倍となっています。
世界で最も拡散された記事(全ての言語を含む)はThe Gurdianの12月3日付けの『Cop28議長、化石燃料の段階的廃止要求には「科学的根拠がない」と発言』という内容のものです。The GurdianがCOP28関連の拡散元の媒体としてほぼ4割近くを占め、その他YouTube、BBC、ブルームバーグの存在感が目立っています。日本の毎日新聞、ヤフーも6番目と7番目にランク入りしていることにも驚かされます。
【2】経済金融メディアBloombergによる気候関連メディア、『Bloomberg Green』 の存在感
経済金融メディアの有料購読メディアであるBloombergが上位にランク入りしている理由のひとつとして、気候変動関連の報道に特化した 『Bloomberg Green』のペイウォールをCOP期間中は無料開放し、毎日2本の専用無料ニュースレターを配信する等、力の入れようが伺えます。以下は毎日配信されるニュースレターに掲載されていたそれぞれの日のハイライト見出しです。
Bloombergではポッドキャストも以前から毎週無料で配信していて、とても聴き応えのある内容です。今回はアル・ゴア氏をゲストに迎え、情熱的に、時に「怒り」を交えながら、化石燃料業界等に対しての考えを訴えています。対談の中でやはり情報のエコシステムの問題・課題が指摘されていることが印象的でした。
【3】石炭禁止連合にアメリカも参加 日本は見送り 大丈夫?ニッポンの脱炭素[12/5 テレビ東京 / 日経プラス9]
日本国内での受け止め、主要な論点は以下の動画で詳しく解説されています。この中で東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授が日本の気候変動対策に対する提言として挙げているのが『認識のキャッチアップ』です。気候変動問題を人類の危機として真剣に受け止め、腹落ちして理解して本気で取り組んでいる人が国内にはまだ少ないのではないか、と指摘しています。
【4】186団体が賛同|JCIカーボンプライシング提言:2030年GHG排出削減目標と国際競争力強化の同時達成に向けて [12/5 気候変動イニシアティブ(JCI)]
温暖化対策に取り組む企業などのネットワーク「気候変動イニシアティブ」(JCI)が、日本政府に対し炭素の排出に応じて課金する「カーボンプライシング」を、現在の政府案よりも早期に高い価格で導入するよう求める提言を発表しました。
脱石炭連合、日本は参加せず 消極姿勢に経済界から注文 [12/6 日本経済新聞]
世界的に日本の脱炭素政策に対して厳しい批判が繰り返される状況が続いています。エネルギーの安定供給の重要性を理解しつつも、大企業も加盟するJCIのような声にも耳を傾けつつ、それぞれの立場でできることに取り組んでいくことが大切と思われます。
【5】BS1スペシャル 脱炭素へのロードマップ ビジネス界1.5℃目標への挑戦 [12/5 NHK] 📺NHK Plus 見逃し配信期限 :12/12(火) 午前3:56 [その後はNHKオンデマンドでも視聴可能]
昨年のCOP27の現地取材に基づいたNHKのドキュメンタリー(初回放映日は2023年4月9日)が12月5日(火)の深夜3時に再放映されてました。日本の大手企業の代表視察団の方々が現地で日本国内との認識ギャップに驚かれる様子がとても印象的です。ぜひ多くの方に見ていただきたい内容、と思いました。
【6】“誓約”乱発、ただのPR? COP28「グリーンウオッシュ」の懸念 [12/7 毎日新聞]
次々と発表される誓約は会議の「成果」か、一部の国の単なる「PR」か――。
数多くの宣言・誓約の発表や同盟の設立が打ち出されるCOP28ですが、それ自体が「グリーンウオッシュ」の懸念もあり、注意深く見守る必要も指摘されてます。
【7】メディアはいかにして化石燃料産業をグリーンウォッシュするか 〜世界で最も評判の高い出版物の多くは、その信頼性を利用して、汚染者を保護し、読者を混乱させる広告を売っている。[12/5 The Nation]
ブルームバーグ、ロイター、ニューヨーク・タイムズ等の欧米の主要なパブリッシャーが読者との信頼を利用し、化石燃料会社を宣伝し、気候問題についての一般の混乱を招いているとする指摘もされてます。調査によると、ほとんどの人々はこれらを本物のニュースと区別できず、その理解に影響を与え、気候行動の努力を妨げる可能性があるとの警鐘も。
【8】環境に配慮するよう人々を説得する、驚くほどシンプルな方法 [12/5 Washington Post]
いろいろなメディアがある中で、今回興味深いと思ったのはWashington Postで今年の1月から毎週掲載されているコラム、その名も「Climate Coach」です。日常生活の中の生活スタイルや消費行動を切り口に、「気候変動対策として個人としてできることは?」という問いに答えるようなコラムはとても共感しました。今後定期的にチェックしたいと思います。今回のコラムでは、信頼できる友人や家族からの社会的影響は、ソーラーパネルの設置や電気自動車の購入など、環境に優しい行動を促進する上で重要な役割を果たすことが指摘されてます。
こちらの記事のような論理的に説明される情報も大切ではあるものの、行動変容には友人や近所の人との比較が重要とのことです。
「売電単価が下がっても太陽光発電はペイする」その根拠 [11/2 日本経済新聞]
【9】連載:熱狂フュージョン [12/5〜 毎日新聞]
注目の核融合に関して、読み応えのある連載。
【10】ベトナム農家の脱炭素後押し フェイガー、24年春にも [12/5 日本経済新聞]
今週最後のトピックはこちら。「カーボンクレジット」、「カーボンプライシング」等、来年はもっと注目が集まりそうですね。
"農家の脱炭素を後押しするフェイガー(東京・港)は2024年春をめどにベトナムに事業拠点を開設する。現地の稲作農家に脱炭素の方法を助言するほか、温暖化ガス削減量を取引する「カーボンクレジット」の申請・販売などをサポートする。海外展開などに充てるため、農林中金キャピタルなどを引受先とする第三者割当増資で約3億4000万円を調達した。"
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市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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