こんにちは。あけましておめでとうございます🎍🐉。今回が2024年最初の配信となります。能登半島地震の被害に遭われた地域の皆様、心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の1日も早い復興、そして被災された方々の生活が1日も早く平穏に戻ることを願っています。
新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は現在Substackにおいて540名を超える方に購読頂いてます。先日新しくスタートしたLinkedinのニュースレターでは既に920名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。*日本関連の英語記事をキュレーションしている英語版のJapan Climate Curation [購読者数約2,200人]もよろしければぜひ覗いてみてください。
さて、先週の配信は年末年始でお休みさせていただきましたが、その間ニュースのキュレーションもお休みしていたことで、気候変動関連の情報にほとんど触れない日常をしばらく経験しました。もちろん年末年始ということもあったかもしれませんが、特に国内では気候変動関連のニュースはあまり報道されていないのでは?、と改めて感じる機会でした。
そんな中、今回は海外の主要メディアが毎週のように配信している気候変動関連のニュースレターを15本、ご紹介させていただきます。驚くのは主要メディアのほとんどがこうした気候変動関連のニュースレターを配信しているということです。日本ではまだニュースレターという情報伝達スタイルが欧米に比べ注目されてないからか、また気候変動分野に対する注目が限定的だからなのか、「これは」、というものをうまく見つけることができませんでした。1年後、そのようなニュースレターが国内でももっと増えていることを期待しつつ、以下ご紹介してみたいと思います。
【欧米の気候変動・気候テック関連ニュースレター15本】
Washington Post - The Climate 202 & Climate Coach
圧倒されそうな量ですね😅。私も全てに目を通すことができている訳ではないのですが、今年は情報収集の起点としてニュースレターに注目してみたいと思っています。Gmailでメールを受信するとフィルターにかかってしまい見逃しがちという問題点がありました。最近試しているMac用のメール配信デスクトップアプリ「Memestream」は、読みたいニュースレターを見逃すことなく購読できそうで期待しています。
なお、昨年末に自分が普段どのようにニュースレターを配信しているか、習慣化のために気をつけていること等を書いてみました。もし読者の方で自分もニュースレターを始めてみたい!という方がいらしたらぜひお気軽にご連絡ください📬🙂
*習慣としてのニュースレター配信〜21ヶ月間、175通を配信してみて [2023/12/27 note/日経COMEMO ]
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】Climate Tech「業界」へのVC投資の動向 by CTVC Sightline Climate
上記ご紹介したニュースレターの中にも含まれている「Climate Tech VC(CTVC) by Sightline Climate」は、現在では既に6万人以上が購読している人気ニュースレターで、特に先週と今週号では2023年の総括と2024年の展望が詳細なデータと専門家のコメントで丁寧に分析されています。
320億ドル、30%減少、2023年に市場は一時休止へ [2024/1/5]
🌎🔮 2024 Climate Tech Oracle[2023/12/22]
2023年は金利上昇と慎重な民間投資市場という厳しいマクロ環境もあり、VC投資は30%程減少して320億ドル(4.6兆円)とのことです。が、2020年からの4年間の蓄積においては1,419億ドル(20.5兆円)という巨額の資金が投じられていることが伺えます。2024年の展望に関しては見通しは楽観・悲観混ざっているものの、投資環境、EV販売、DAC(直接空気回収技術)、カーボンマーケット、米大統領選の影響等、幅広いトピックについての視点が共有されてます。
【2】トヨタの“王座”を奪うのは誰だ? [2024/1/2-5 クーリエ・ジャポン]
必要だったのは自社戦略への自信?〜海外メディアは「EVに出遅れて過去最高益を出したトヨタ」をどう報じたか 等10本 [2024/1/2 クーリエ・ジャポン]
2023年を振り返ると、上海モーターショーなどを契機に「中国のEVすごい!」「日本、そしてトヨタのEV戦略は遅れている」という論調が数多くのメディアで報じられていたことを思い出します。そんな背景もあってか、「トヨタ過去最高益の見込み」、「欧米のEV売上の減速・踊り場」、「BYDが四半期の売上で始めてテスラ超え」という最近の報道を受け、数多くのメディアがEVシフトの現在・行方についての特集を組んでいることが印象的でした。
*EVシフト 絶頂と絶望 2024/1/4 週刊東洋経済
EVシフト 中国・米国・欧州「3大市場の最前線」〜テスラ&BYDが市場席巻、日本勢はどう動くか [2024/1/4 東洋経済オンライン]
【3】「いまBYDは無敵」 EV販売テスラ超え、カギは電池[2024/1/3 日本経済新聞]
【4】#2-14 世界一位になった、中国BYDが揺らがすEV市場【出演: 宗原智策さん】[2024/1/4 NewsPicks グリーンビジネス]
北欧在住の気候テックベンチャーキャピタリストの宗原智策さん(Nordic Ninja)から現地の状況を踏まえて臨場感のあるEVシフトの行方が解説されてます。
【5】GX、世界冷ややか 政府の脱炭素政策 混焼火力発電「CO2十分削減せず」批判 [2023/12/27 毎日新聞]
このテーマも2023年に何度となく話題に上がったトピックでした。今年はこうしたテーマについて、論点が整理され透明性高く議論が行われることを切に願っています。
【6】日本の再生可能エネルギー、潜在力は? 現場を歩く[2023/12/31 日本経済新聞]
COP28で合意された「2030年までに再エネ3倍」の目標が今後どのように国内で展開されるか、現在地を確認する上でも参考になる記事が3本、掲載されています。
(上)太陽光発電、農地に設置で原発2000基分超 営農型に活路 / (中)風力発電の余地、海は陸地の3.5倍 産業育成が急務 / (下)地熱発電、潜在力は世界3位 難事業は地域振興と両輪で
【7】イスラエルの気候テックは784社、2018年以降に総額82億ドル調達[2023/12/25 JETRO ビジネス短信]
イスラエルの気候テックに焦点を当てた非営利団体「PLANETech」とイノベーション庁が12月14日に「2023年のイスラエル気候テックの状況」と題するレポートを公開。2023年上半期時点でのイスラエルの気候テック企業数は784社で、その67%は創業7年以内であるとのことです。クリーン・エネルギー・システム、スマート農業、代替タンパク質、持続可能なモビリティ、二酸化炭素管理・リスク・金融などの分野が多数を占めていて、調達額も2018年以降総額82億ドル(約1.19兆円)とのことです。
【8】"マンゴーを探せ"、気候変動に関する報道のあり方について学んだ他の13のこと [2024/1/4 Nieman Lab | the Oxford Climate Journalism Network of the Reuters Institute for the Study of Journalism]
気候変動関連のジャーナリズムに関しての伝え方のコツやヒントが14項目にまとめて紹介されています。ニュースルームが部署の垣根を超えて統合しながら、選挙やオリンピックを報道するように、繰り返し起こる気候変動報道に備えることができると指摘しています。また、エジプトにおけるマンゴー、コスタリカにおけるコーヒー、南アフリカにおけるワインのように、多くの人に愛され、身近な話題からストーリーを紡ぐことの大切さも述べられています。
【9】COP28取材のメディア30人に聞いた「気候変動を伝える難しさ」[2023/12/28 朝日新聞 / Media is Hope]
COP28には各国政府代表団やNGOだけでなく、世界各国から4千人近いメディア関係者も集まったそうです。現地で取材した一般社団法人「Media is Hope」の共同代表理事・名取由佳さんの寄稿記事で、現地で出会ったジャーナリストからのメッセージが紹介されてます。
『記事や番組を見たり、SNSで拡散したり、購読したり、感想を送ったりすることで、応援することができる。そのリアクションが、次の記事につながることもある。その積み重ねがこれからの社会を左右する、と考える。』というメッセージにとても共感します。
【10】PEP ゼミ for Climate Tech:環境政策 & Climate Tech 政策入門 [2023/12/18 政策起業家プラットフォーム PEP]
環境政策と Climate Tech政策に関し、基本から現状分析・展望までとても俯瞰的なお話がまとめられていて参考になる動画でした。気候テック分野のスタートアップ、そして企業の担当者の方にとってもとても有益な内容なのではないかと思われます。なおPEPは1月20日に開催のイベント『PEP サミット 2024 ~ 政策起業で 2050 年の日本を形作る ~』では、「Climate Tech から 2050 年の日本を作る」と題したセッションも予定されているそうです。ご興味ある方はぜひ:)
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
🌏Climate Curation 情報源 [気候変動・脱炭素・気候テック (climate tech ) 関連情報]:https://bit.ly/ClimateCuration_Info [ストック系情報 : 掲載数109]
🌏Climate Tech List ⚡ :https://twitter.com/i/lists/1611344400122253312
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい連休をお過ごしください🙂🙋 2024年もどうぞよろしくお願いします!
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
Twitter: @SocialCompany
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