こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。
10月を迎え秋の気配を感じられるようになってきましたね。今年の夏も猛暑、洪水、干ばつ、そして最近の台風と自然災害被害が思い出されますが、現在も猛威を奮っている米国南部、キューバ等でのハリケーンは「1000年に一度」「史上最悪規模の恐れがある」と報じられてます。被害が最小限となることを願ってます。
▶さて、先週の国連・Climate Weekから一転、今週は脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)に関する国際会議「東京GXウィーク」が開催されています。関連して数多くの出来事、報道を目にする機会が多かったと感じます。
国主導で原発再構築を 日経提言、再エネ7割を目標に [2022/9/26 日本経済新聞]
日本経済新聞による「エネルギー・環境問題」に関する12の提言が掲載されました。課題の概観理解、議論のたたき台として有益な情報と思われます。日本人研究者が発明し、次世代太陽電池の「本命」といわれる「ペロブスカイト型」太陽光発電 の可能性や鉱物資源の確保の重要性等にも言及。個人的には12番目の「国民理解促進」に注目。メディアの役割に期待です。
アジアの脱炭素、日本が主導 移行金融とアンモニア混焼で促す [2022/9/27 毎日新聞]
日本政府・産業界が推す『低炭素への「移行」を促す投融資』についての考察記事。 石炭火力への依存が大きいアジア諸国に対する日本の技術力を展開する狙いも含めた戦略としての トランジションファイナンスという視点の説明も 。一方で「石炭火力の延命策」としての批判の声についても考えるきっかけに。
アンモニア混焼についての様々な視点:現実的で革新的な切り札? [2022/9/30 SocialCompany.org]
特に印象的で理解が追いつかない、と感じたのが日本政府や大企業が推進している「アンモニア混焼」事業についてでした。既存のビジネスやインフラを活用することで「一足飛びではない」日本独自の切り札の技術・政策として多くのメディアで報じられてます。一方で、ブルームバーグNEF、Climate Integrate、英非営利団体クライメートボンド・イニシアチブ(CBI)等はアンモニア混焼は高コストで懸念があるとの批判的なレポートを公開しています。理解を深めるためにも、正確な情報と判断基準がより透明度高く共有され、よりよい方向に向かう議論がもっと広くされることを期待して、簡単な備忘録的なブログ記事を書いてみました。
▶🚗もう一つ今週とても気になったニュースは中国における桁違いの電気自動車の普及状況、そして東南アジア、欧州、そして日本市場に向けてのEV販売の取組みです。
中国の電気自動車市場の現在地〜年間販売見込600万台、充電ステーション400万台以上〜東南アジア市場も視野に [2022/9/28 SocialCompany.org]
9月26日のニューヨーク・タイムズの記事によると、中国では電気自動車の普及が既に広範に広がりつつあり、もはや未来の話ではなく、現実に起きている姿であることが感じられます。
・300社以上の中国企業が5,000ドル以下のディスカウントモデルからハイエンドモデルまでのEVを製造
・充電ステーションの数は1年前の2倍にあたる約400万台で今後も増える予定
・今年のEV販売台数は前年比2倍の約600万台との見通し
・新エネルギー車に対する免税措置を予定通り今年(2022年)で終了させるのではなく、140億ドル(約2兆円)を投じて2023年まで延長すると発表。
NY州もガソリン車規制 35年までに新車販売禁止 [2022/9/30 産経新聞]
トヨタ、EV戦略で他社と一線-普及に予想より長い時間かかると社長 [2022/9/30 ブルームバーグニュース]
アジアEV、世界進出 中韓車メーカー戦略まとめ読み [2022/9/20 日本経済新聞]
以上、今週の気になるトピック、関連ブログ記事の紹介でした。
【⭐📰👀その他今週気になったニュース・トピックス】
「このままでは…」 漁師はなぜ訴訟で石炭火力見直しを求めるのか[2022/9/25 毎日新聞]
*身の回りで起きている 気候変動 の影響、海外動向踏まえた訴訟の現状と課題等、盛りだくさんの約5,000文字の骨太記事。 有料記事ですが課金してでも多くの人の目に触れて欲しいと感じる1本でした。脱炭素に求められる「公正な移行」とは?仕事を失う人々の現状と、世界の事例から考える [2022/9/26 IDEAS FOR GOOD]
公正な移行(Just transition)についての平田仁子氏(Climate Integrate代表)のインタビュー記事。「プログラミングやデータサイエンスを学ぶ等のリスキリング」のフレーズを超えた解像度を持って深く理解したいキーワードである、ということを強く感じる内容。
NHKスペシャル“中流危機”を越えて「第2回 賃金アップの処方せん」見逃し視聴(NHKプラス 10/2 21:49迄&NHKオンデマンド)
日本のデジタル競争力、過去最低29位 中韓台にも後れ [2022/9/26 日本経済新聞]
"日本は毎年少しずつ存在感を失っている。まるでなかなか変化に気づかない「ゆでがえる」の状態だ。DXの遅れは技術の問題ではなく、人と組織の問題だと再認識して改革を進めなければ、低迷から抜け出せない "
2022 North America Climate Tech 200 - HolonIQ’s annual list of the 200 most promising Climate Tech startups from North America. [2022/9/22 HolonIQ]
インテリジェンスサービスを提供するHolonIQが公開した北米地域の注目Climate Tech企業200社のリストです。エネルギー貯蔵、フードシステム、気候データ・金融等が注目カテゴリーとして紹介されてます。
Visualized: The World’s Population at 8 Billion
2022年後半のどこかの時点で世界の人口が80億人を超えると言われてます。過去わずか48年の間に世界人口は40億人から80億人へと倍増したことになります。
[🎧おすすめのポッドキャスト]
気候変動、サステナビリティをテーマにしたコンテンツに力を入れているブルームバーグの気候変動担当レポーター、アクシャット・ラティ氏によるポッドキャスト『Zero』が9月からスタートしました。ビル・ゲイツ氏、環境NGOグリーンピース出身でClimate Techに力を入れているベンチャーキャピタリスト、英国で気候変動法案に推し進めた国会議員等、国内メディアではなかなか触れる機会の少ない第一線で活躍するリーダーの考えに触れることができる、充実の内容です。
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市川裕康
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