こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。
さて、今秋は連休明けで大きなニュースが数多くあり、どのような記事をご紹介するべきか悩むほどでした。改めて考えるとこうした気候変動・脱炭素関連の記事は以後減ることよりもボリュームは増え、深さもましていくことが容易に予想されます。そんな際にニュースの見方、独自の視点、切り口、キュレーションの方法等をお届けするような役割を果たすことができれば、と改めて感じます(*文末に先日触れた気候変動のオンライン講座の体験共有会のご案内をご紹介します)。
まずは過去1週間に印象に残った記事を箇条書きで書き出してみます。
【国内編】
Jパワーに脱炭素の株主提案 物言うESG投資家、日本でも [5/11/2022 日経新聞]
JPXと経産省、排出量取引の市場開設 9月から実証実験 [5/13/2022 日経新聞]
非化石エネ使用割合、企業に目標設定義務 改正法が成立 [5/13/2022 日経新聞]
日本周辺の“異常な雨” 地球温暖化で増加も 米NOAA分析 [5/10/2022 NHK]
ヤマトHD、脱炭素へEV2万台 810拠点に太陽光設備も[5/10/2022 日経新聞]
【海外編】
5年以内に1.5度の気温上昇、確率50% WMOが報告 [5/11/2022 CNN]
BlackRock warns it will vote against more climate resolutions this year Largest asset manager parts ways with most activists and says war in Ukraine has changed calculus (ブラックロック、今年は気候変動に関する決議に反対すると警告〜最大手資産運用会社が大半の活動家と決別、ウクライナ戦争で計算が変わったと発言 ) [5/10/2022 FT]
再生可能エネルギーは2022年に再び成長記録を更新する見込み(IEAレポート) [5/11/2022 Axios ]
インフォグラフィック:国別の太陽光発電と風力発電 [5/4/2022 ELEMENTS]
以上、気になった見出しはありましたでしょうか?個人的に気になったのは「Jパワーに脱炭素の株主提案 物言うESG投資家、日本でも」、そして「非化石エネ使用割合、企業に目標設定義務 改正法が成立」の見出しです。
きっかけは本日5月13日にオンラインで開催された以下のイベントを視聴したことです。
『カーボンニュートラル実現に向けた水素・アンモニア燃料のあり方』
こちらのイベントは「原発ゼロ再エネ100の会、気候ネットワーク、FoE Japan、eシフト」の共催で、本日成立した「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律(通称:省エネ法等改正案)」に対して疑問、質問を投げかけるものでした。
イベントの趣旨として以下のような内容が記載されてます。
政府は今国会に「省エネ法等改正案」を上程しました。この法案は、省エネ法や高度化法などに水素・アンモニアを非化石エネルギーとして位置づけ、化石燃料からの転換を推進するものです。しかし、水素・アンモニア燃料は、化石由来だと製造・運搬段階でCO2を排出し、エネルギーを大量に使うため、環境性、経済性に問題があります。現状では、技術的にも問題が多く、確立した技術ではありません。結果的には、既存の石炭火力に水素やアンモニアの混焼を推進することは石炭火力の延命にしかならず非常に問題です。
さらに政府は現在、「電力の安定供給を確保するための構造的な対策として、新規電源投資について長期間固定収入を確保する仕組み」の検討をはじめており、その措置の対象に、石炭火力への水素・アンモニア混焼を対象とする方向性で議論が行われています。
本セミナーでは、このような水素・アンモニア燃料や石炭混焼の問題を共有し、今後の方向性について議論します。
イベントでのプレゼンテーション資料をご覧になると、水素・アンモニアを燃料として利用することで現在の石炭火力発電の延命を目指すような現状の政府の方向性に疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。専門的な知識は持ち合わせてないので自信を持った判断はできないのですが、Jパワーに対して欧州の機関投資家が気候変動対策を要求することのインパクトの大きさを改めて感じさせられました。このJパワー社の件はGXチャンネルというYouTubeチャンネルでも「ついに日本にも 脱炭素の株主提案 J-POWERが標的に」というタイトルで解説がされてます。ご興味ある方はぜひご覧になってみてください。
5月31日18-19時には「Understanding climate-related shareholder proposals in Japan(日本企業に対する気候変動に関連した株主提案について 」と題した無料セミナーがProxy Watcher社と 英Insightia社の共同で専門家を招き開催されます(日英同時通訳つき)。
時代の過渡期において潮目が変わるかもしれない事案として、今後も注目していきたいと思います。
寄稿&イベントのご案内
気候変動のオンラインスクールで学んだ感想・気づきを改めてnote/COMEMOに寄稿してみました。併せて5月12日(土)9:00-10:00にはオンラインで小規模の無料体験共有会を開催します(申込フォーム)。よろしければぜひご覧の上、お気軽にご参加いただけましたら幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は以上となります。ニュースレターの構成、分量、切り口などは今後少しずつ工夫・改善をして変化をしていく予定です(フィードバック、感想、ご意見も歓迎です🙇♂️🙂)。配信日も土曜日に変更する可能性があり、現在検討中です。
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では、よい週末ををお過ごしください🙂
市川裕康
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